忘れたくないこと

忘れられない3つの戯曲があります。

東洲斎写楽をモチーフにした宮城野、イヨネスコの不条理演劇の授業、そして「銀河旋律」。

f:id:jenzy:20170725012355j:plain

 

先日、劇団空感演人さん企画・製作の銀河旋律を観劇してきました。
7月20日と23日の回。
最初は二回も見に行く予定ではなかったのに、観た後,心にズン&キュンとくるものがあり消化しきれず。そして良い台詞が大量にある!

なんなら思い出して泣けてくるという重症っぷり(イタい)

舞台は生ものだから、と言い訳をして二回も見に行ってきました。その感想をつれづれと。

 

 

!あ、ネタばれするので注意ですよ!

 


【一回目の観劇】
C班はその日が初日。エネルギー爆発!
銀河旋律は台本を読んだことがあったのですが、やっぱり実際に観ると良い意味で全然違う!
女子高生役が男子高校生にアレンジされていて、そのトリオがまた良かった!!!
登場からピュアで可愛くて面白くて、真面目になりがちなストーリーを軽快なものにしていました。
小ネタがちょくちょく入るあたり、さすが栗本さん演出だなぁと。

ダンス、SE、照明や衣装もとってもとっても好きで、色んな方が工夫して素晴らしい舞台を作ってくださったことにただただ、感謝。

 

【人の気持ちについて】
私、なんだか一回目を観た時、主人公の柿本に疑問を覚えたんです。悪い意味ではなく。
本当に愛しているはずなら、はるかの幸せを最優先にするのでは?
はるかの意志を尊重していれば、サルマルもはるかも、なんならヨシノと柿本もみんなハッピーエンドじゃないですか。
一途といえば聞こえは良いけれど、はるかに執着するエゴってそれは愛なの?
地位も名誉も財産も捨てる覚悟の一途とは…?好きなら諦めないが本当に正義なのかなぁ?

 

それから、柿本ははるかの事をここまで好きだったら、3年のうちにとっくに結婚してると思うんですよ。
じゃあ何でまだプロポーズもしてないのかって考えると、全く違う世界(ニュースキャスターと教師)にいる
『彼女を幸せにできるのか?』と葛藤しているからかなと。

そこに「はるかさんの幸せを誰よりも祈ってる」と言い、振られたサルマルが現れてこれでもか!と波風を立てるわけです。
なんか、そのサルマルが柿本の“潜在意識”を表しているように見えて。(だってサルマルとはるかはある期間は結婚までしてるんですよ!?)

柿本って熱い男でまっすぐで、はるかさんが大好きで、同時に絶対に彼女を失いたくないっていう、子どもがお母さんに対する絶対的な信頼と、居なくなった時の絶望みたいな物を兼ね備えてる人だと思って。(いやほんと、目の前にいてくれる人が当たり前だなんて一瞬でも思っちゃいけないよねぇ。)
柿本とサルマルは求めている物(はるかの愛)は一緒なんだけど、アプローチの仕方が真逆なんです。
そこが陰(サルマル)と陽(柿本)に見え、え、これってコインの表と裏みたいなもので、実は同一人物じゃ??と想像が飛躍。()

 

大人になるとしがらみにとらわれたり、本当は思っててもこれは言わないでおこう、と飲み込んだり、周りに流されたほうがずっと楽なことっていっぱいあるんですよね。

そんなことはどうだっていい、他の人なんてどうだっていいと自分の想いを貫く柿本の強さはうらやましい。サルマルの実行力と計算高さもね。

 

【キュンポイント(笑)】

柿本とはるかはまーーーじーーーで、胸キュン名台詞の宝庫だと思います。書ききれません。観た人みんながキュンとして好きになる!はるかさんの一挙手一投足、表情や言い方が素敵でそりゃ二人の男性に想われちゃうって…!

中継ではるかに気づく柿本の表情と、手がじわじわ前のめりになっていく所とか、う、うまいッ!

 

特筆すべきはヨシノと柿本のやりとり。要所要所でキューーーーーン!涙腺が…!!

ヨシノさんがけなげで、切ない。応援したくなっちゃう。新しい記憶が残っている時の二人の距離感が絶妙。

座る位置とか、手を取って立たせる仕草とか、抱きしめ返すかと思いきや…のところとか!

誠心誠意謝る柿本も、憎めないんですよねー。(だってヨシノが見て無くても、深々と頭下げてるんだもん)

ちゃんと柿本の思いやりが感じられるから、色んな感情が押し寄せてくる。

「でも失敗したら出会わなくなるかもしれないのよ。アナウンサーとしての自分にも、はるかさんにも。」

「よしのさんにも…」

「それでもいいの?」

このシーン、柿本が一瞬ハッとした顔を見せるんですよ。やめてくれー!つらいーwww

それから、がらりとシーンが変わって過去の柿本の時の「ハイ!」の言い方がめっちゃヨシノの後輩っぽくて可愛かったです。その時着てるコートも個人的にツボ(笑)

ヨシノさんとヤマP(ヤマノウエ)のやりとりも、合唱部のクサカベ部長の乙女な想い(常に萌え袖)とか「そんなのわかんないー!好きなら諦めないほうが良いわよ絶対に!」「誰かが何処かで待ってると思わないの!?」の言い方とかもポイントです

  

~余談~

劇中に和歌があるのってロマンチックで好きです。31文字の小宇宙。

今回の舞台も一時間弱と短めで、人って短い方が想像力をかき立てられて、記憶に残るんでしょうね。。

君が行き、日(け)長くなりぬ、山たづの、迎へを行かむ、待つには待たじ

『あなたが出掛けてから、たくさん日が経ちました。迎えに行きましょう。待つには恋しすぎる、もう待ってなんかいません。』
衣通王(そとほしのおほきみ)

たち変り、月重なりて、逢はねども、さね忘らえず、面影にして

『(季節は)移り変わり、月日は経ってゆく。(なかなか)会えないけれど、(きみを)忘れたことはない。(きみの)面影が(私の脳裏に)浮かぶのだ』

田辺史福麻呂(たなべのふひとさきまろ)

この二句も万葉集からで、銀河旋律にあってもおかしくない綺麗な歌です。

 

 

↓これは超訳百人一首(うた恋い。2より)。こういうベタな登場人物のいるお芝居でキュンキュンするのもいいですけどねーwww(余談すぎる笑)

f:id:jenzy:20170725130056j:plainf:id:jenzy:20170725125946j:plain

f:id:jenzy:20170725130205j:plain

 

あかん、ただでさえ長いブログがさらにダラダラ長くなってしまうー。ツイッターでも、役者さんのここが好きだったとか書いたけど、細かい所書き出したらきりがないなぁ。二回目の観劇もまた違って良かったし・・・・

この感想、続くかもしれないし、続かないかもしれない笑